柊キライ オートファジー BPM(テンポ)
- 2020/04/11
- 12:01
BPM 137
柊キライ オートファジー
シリアスなサウンドアレンジが印象的なアクセントの効いたミドルナンバー。
MVは、男性のイラストが特徴的なリリックビデオ。
動画でのリリースと、アルバム「ヘイトフル」の12曲目に収録。
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【柊キライ】
【BPM 137】
【ボカロP】
【BPM (テンポ)】
【音域】
【全アーティスト目次】
オートファジー レビュー (TOPへ戻る)
簡易情報
作曲作詞:柊キライ
絵 動画/WOOMA
2019年08月19日
再生時間 3:37
JOYSOUNDにてカラオケ配信中 曲番号 443739
目次
はじめに
オートファジー、タイトル考察
右が、左を呑み込んでしまうこと
僕の拒否についての表記
ハロー、脳内案内人
反芻される羞恥
穿った余談
蝕みの時(オートファジー)
過去の孤独の問い
まとめ
僕の問いから生まれた脳内案内人が、何も答えの出ない僕を蝕んでいく。
僕はやっていないのに、加害者として消えたい日々を送る。
突き放したくて、なかったことにしたい。
当事者でもあるから被害者にはなりきれなくて。
過去の僕が脳髄に撒いた悪の芽が、忘れた頃に弾けて、僕を反芻する
https://unsplash.com/@geraltyichen
オートファジーhttps://unsplash.com/@7seth
反芻される羞恥の歌(Youtube動画コメント欄より)
はじめに
オートファジーは柊キライが作曲したダークな世界観や意味深な歌詞が魅力的な曲である。「ハロー、はははは ハロー」という独特な歌詞が耳に残る、
再生数は100万を越え、色々な方が歌ったり、動画を作ったりされている。
作者の柊キライはその独特な世界観を生み出すことから、若い世代を中心に多くの注目を集めている作曲家である。応援するときのタグは#柊スキである。
特徴的な曲調については、柊キライさん本人もこだわっていることをfanBOX内でも語っている為に、是非読んでみて欲しい。
曲作りの解説や秘話:オートファジーのサビ
オートファジーのイントロのあの音 ※DTMの記事です。
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オートファジー、タイトル考察
① オートとファジーを分解した場合。(Auto fuzzy)
② オートファジーの単独での意味
③ 中国版の訳(BiliBili動画参照)
①オートとファジーに分解した場合。(Auto fuzzy)
オート(auto)
1自己
2自生
3自動
ファジー(fuzzy)
1〈布・衣服が〉けばのような,けばだった.
2〈毛髪が〉ほぐれた; 縮れた.
3〈もの・考え方など〉ぼやけた; あいまいな.
言葉の意味をバラバラに組み合わせてみよう。
1.自己が曖昧である。
2.そこにいる意味が曖昧(な存在)
3.縮れてけばだっている様な自分
4.
自動的で、ぼやけた(存在)
…等と言う言葉になる。
2.4.は、タイトルが脳内案内人を意味していることを考えての仮説。
1.3.は、タイトルが「僕」をどういう人間かを意味していることを考えての仮説だ。
②オートファジーの単独での意味
細胞の栄養源であるタンパク質が不足すると、自分の身体を食べてタンパク質を補うこと。
(Autoはギリシャ語で自分自身、phagyは食べることの意味)
コトバンクより
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B8%E3%83%BC-685600
簡単に言い換えれば、自分の身体を食べてしまうことがオートファジーだ。
③中国版の訳(BiliBili動画参照)
中国の大手動画サイト「BiliBili動画」では、
柊キライ自らが「自我吞噬」と翻訳している
参照URL;https://www.bilibili.com/video/av64439026/
「自我吞噬」
翻訳をすれば、そのまま「オートファジー」という言葉で出て来る言葉だ。
念の為に、白水社の中国語辞典や漢字辞典を確認してみた。
自我
1.音節動詞の前に用い,動作が自分から出てまた自分に帰る場合の)自己
(自分が自分に~する、という言葉の前に使われる表現)
2.自分の意味
吞噬
② のむこととかむこと。
② 他国を攻め滅ぼして、その領土を奪い取ること。吞食。
これで、意味を作り直すのならば、
1. 自分が自分のことを食べる。(オートファジーの意味と同じ)
2. 自分が自分で、自分の居場所を奪ってしまうこと
「自分が自分で、自分を呑み込んでしまう。」
これがオートファジーの動画を見ている際に、
腑に落ちる言葉であったために追求していこうと考えた。
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右が、左を呑み込んでしまうこと
オートファジーPVより https://www.youtube.com/watch?v=iBFa98VMh2A
オートファジーのPV画面だ。
特徴としては、左右が対象になっていることが言われる。
8つ発見した為に、1つずつあげていこう。
1.手袋…左は付けていない(白)、右は着けている(黒)
2.腕輪…左は付けていない、右は着けている
3.指先…左は伸びている、右は曲がっている
4.腕…左は筋肉が盛り上がっている、右は上腕二頭筋が薄め、太陽のタトゥー
5.眉毛…左の方が影が濃く、下がっている。右は軽く下げている
6.目元…左は泣いていて薄い眼、右は大きく開いている
7.瞳孔…左は白く赤い輪、右は黒く赤い輪が全体的に広がっている
8.口角…左は下がっている、右は薄っすらと上がっている。
このことから、「右」が「左」と共存しているように考えた。
「左」は酷く悲しんでいる。これが、「僕」の方だろう。
ならば、「右」の喜んでいるのは誰だろう。これは、「僕」が拒否している人物である。
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僕の拒否についての表記
明らかに「僕」は何かと話していて、拒否の言葉を何度も口にする。
その為、僕が誰かに止めて欲しいと言った言葉を列挙していこう。
1.「愚かしいとか 馬鹿らしい そんなことを僕の前で試行しないで」
2.「ただただ心を突き放し しっし」
3.「僕は待ってないのに踊られても困るし君 君」
4.「愚かしいとか 馬鹿らしい そんなことを僕の前で口にしないで」
5.「脳髄から締め出したくて」
6.「これから心が宿った頭蓋無理矢理隅まですすいで洗いたい バイバイしたい」
7.「僕はやってないのに騒がれても鬱陶しい しっし」
8.「過去の孤独の問いに身 脈打ち 苦しい 寄らないでよ」
簡単にまとめてしまえば、
僕の思いと、真逆な行動をしている「君」のせいで僕は困っていることが分かる。
もう少しだけ踏み込んでみよう。
2で「心を突き放し」と5「脳髄から締め出したくて」と表記されている。
身体を突き放し、ではないのは「身体がない概念を突き放している」としたらどうだろうか。概念を突き放しても、脳に住んでいる心の様な住人だ。
その二つを合わせた単語が、6.「心が宿った頭蓋」である。
この心が宿った頭蓋を「僕」は「無理矢理隅まですすいで洗いたい バイバイしたい」と言っている。全部「~たい」であり、希望。結局出来ていないことが分かる。
恐らく、この「君」とは自分と真逆な行動を起こしている「脳髄に巣食う心」と考えた。
「脳」という言葉に関連する登場人物が、この曲には存在する。
恐らく、彼はそれと脳を共有してしまっている状態なのかもしれない。
その「君」「心が宿った頭蓋」こそ、「脳内案内人」というものだ。
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ハロー、脳内案内人
「ハロー はははは ハロー ははははは」
オートファジーを語る上で欠かせないのが、この「ハロー」だ。
リズムや、言葉が独特で、耳や心に不気味に残る。気付けば、口ずさんでしまう。
森のトトロで言うトトロ、ポニョで言うポーニョポニョポニョの部分である。
ハロー はははは ハロー ははははは
この「ハロー」に続く歌詞が「脳内案内人 そう かわった人ね」である。
その為、この脳内案内人とハローについて考えていこう。
一応、Helloについての意味を確認しておこう。
Hello(英語)
おい! もし! よお! やあ! こんにちは! あら!
また、「HELLO」の音節は、「HEL LO」で区切られる為に、
「はははは」の部分は、「HEL HEL HEL HEL」ということになる。
その為に、HELを調べてみた。
HEL(英語)
ヘラ(死の女神、冥界の支配者)、黄泉の国、冥界
※ちなみに、HELLは言わずもがな地獄の意味である。
「こんにちは」という意味であるのだと思うが、
脳内案内人という存在が「僕」を何処へ誘おうとしているのかという表記が
この歌詞の中にはどこにもない。
その為に、
「ハロー はははは ハロー」は「HELLO HEL HEL HEL HEL HELLO」であり、
「こんにちは、地獄!地獄!地獄! やあやあ!」と言った様な
不気味な挨拶をしていた可能性も、否定はできない。
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反芻される羞恥
「反芻される羞恥の歌」
それが、この曲のテーマだ。
反芻
1 一度飲み下した食物を口の中に戻し、かみなおして再び飲み込むこと。
2 繰り返し考え、よく味わうこと。「先生の言葉を反芻する」
(Goo辞典様より)
羞恥
1.恥ずかしいと思うこと。恥じらい。
(Goo辞典様より)
この羞恥という言葉が、「愚かしい」「馬鹿らしい」という言葉に繋がるのだろうと思うのだが、「羞恥」という言葉が上手く落とし込めない。
決定的に何が、「愚かし」くて「馬鹿らしい」のかが表記されていない。
脳内案内人の行動として、唯一あるのは「ははははは ハロー」のみである。
「生きていく上で避けられず 割り切るしか」という言葉に関しても、「僕」から聞こえた脳内案内人の言葉である。
全部、脳内案内人がどういう心に宿った頭蓋なのかが「僕」目線でしか書かれていないのだ。
これは「僕」が「言葉にしては苛まれ囚われては被害者振ることも出来ないから」である。
脳内案内人が何をしたかが表記されていない為に、「羞恥」を深く掘り下げることは深追いであり、不可能に感じた。
そして、何をしたかが明言されていない場合、
1. 言葉にすると、大したことないことだった
2. 言葉にすると、あまりにも悲惨なことだった
このどちらか、もしくはどちらもである程度にとどめておこう。
→目次へ戻る
穿った余談
「ははははは ハロー」という台詞の後に「僕」は、その会話に「脳内案内人? そう、変わった人ね」と返している。
もしかしたら、「ハロー はははは ハロー」がちゃんとした言葉として「僕」だけが聞こえていると考えよう。
すると、僕も「ハロー語(仮)」で会話をしている、のかもしれない。
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蝕みの時(オートファジー)
蝕む、これは何かが自分を食べてしまうこと、それに近い行動のことである。
蝕む
①虫が食って物を損なう。
②(虫が食うように)悪弊や病気が少しずつ体や心をおかす。
(三省堂 大辞林より)
動画の2:43から、PVの少年は大きく変化する。
オートファジーPVより https://www.youtube.com/watch?v=iBFa98VMh2A
特徴的なのが、眼である。
明るさとコントラストを変更すると分かるのだが、右目は赤色が開いており、
右はうっすらと白い目が見える、もしくは目は閉じ切っている状態である。
左の眼に溜まっていた涙は、真黒な雫として流れ落ちてしまっている。
それに反して、口元は元からうっすらと笑っていた右の笑い方が完全に出てしまっている。
これは、「左」が「右」を蝕んでしまっている。
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過去の孤独の問い
オートファジーは、栄養がなくなった細胞が行うという。
「僕」がずっと抱えてきている「栄養がなくなったこと」と言えば、「過去の孤独」なのだろう。
この「過去の孤独」を補う為に、「生きていく為に避けられず、割り切るしか」ない存在として生まれたのが「脳内案内人」だろうか。
ただ、この「過去の孤独の問い」に対しても、「脳内案内人」に対しても、「僕」は「寄らないでよ」と逃げ続けている。
その為に、「僕」に残された選択は2つだったのかも知れない。
1.「過去の孤独の問いに、僕自身で答えをつける」
2.「この問いに流されたまま餓死状態になり、僕が脳内案内人に侵食される」
2つだった、というのは、
最期の歌詞に「今に弾ける悪の芽よ」と記載されているからだ。
ハロー。
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まとめ
作者の求めている「反芻する羞恥」というものが上手く掴み切れていないが、このオートファジーという世界観が「ファジー」…つまり、曖昧に作成されている意図も感じている。
決定的な言葉というのは、明言を避けているような造りだった。
その為、このオートファジーの独特なアッパーテンポのダウナー曲を聞いて、それぞれでこのオートファジーという曲の深い部分を探ってもらいつつ、柊キライさんの世界観に圧倒されて欲しい。
written by さざの、
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柊キライ オートファジー
シリアスなサウンドアレンジが印象的なアクセントの効いたミドルナンバー。
MVは、男性のイラストが特徴的なリリックビデオ。
動画でのリリースと、アルバム「ヘイトフル」の12曲目に収録。
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【柊キライ】
【BPM 137】
【ボカロP】
【BPM (テンポ)】
【音域】
【全アーティスト目次】
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作曲作詞:柊キライ
絵 動画/WOOMA
2019年08月19日
再生時間 3:37
JOYSOUNDにてカラオケ配信中 曲番号 443739
目次
はじめに
オートファジー、タイトル考察
右が、左を呑み込んでしまうこと
僕の拒否についての表記
ハロー、脳内案内人
反芻される羞恥
穿った余談
蝕みの時(オートファジー)
過去の孤独の問い
まとめ
僕の問いから生まれた脳内案内人が、何も答えの出ない僕を蝕んでいく。
僕はやっていないのに、加害者として消えたい日々を送る。
突き放したくて、なかったことにしたい。
当事者でもあるから被害者にはなりきれなくて。
過去の僕が脳髄に撒いた悪の芽が、忘れた頃に弾けて、僕を反芻する
https://unsplash.com/@geraltyichen
オートファジーhttps://unsplash.com/@7seth
反芻される羞恥の歌(Youtube動画コメント欄より)
はじめに
オートファジーは柊キライが作曲したダークな世界観や意味深な歌詞が魅力的な曲である。「ハロー、はははは ハロー」という独特な歌詞が耳に残る、
再生数は100万を越え、色々な方が歌ったり、動画を作ったりされている。
作者の柊キライはその独特な世界観を生み出すことから、若い世代を中心に多くの注目を集めている作曲家である。応援するときのタグは#柊スキである。
特徴的な曲調については、柊キライさん本人もこだわっていることをfanBOX内でも語っている為に、是非読んでみて欲しい。
曲作りの解説や秘話:オートファジーのサビ
オートファジーのイントロのあの音 ※DTMの記事です。
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オートファジー、タイトル考察
① オートとファジーを分解した場合。(Auto fuzzy)
② オートファジーの単独での意味
③ 中国版の訳(BiliBili動画参照)
①オートとファジーに分解した場合。(Auto fuzzy)
オート(auto)
1自己
2自生
3自動
ファジー(fuzzy)
1〈布・衣服が〉けばのような,けばだった.
2〈毛髪が〉ほぐれた; 縮れた.
3〈もの・考え方など〉ぼやけた; あいまいな.
言葉の意味をバラバラに組み合わせてみよう。
1.自己が曖昧である。
2.そこにいる意味が曖昧(な存在)
3.縮れてけばだっている様な自分
4.
自動的で、ぼやけた(存在)
…等と言う言葉になる。
2.4.は、タイトルが脳内案内人を意味していることを考えての仮説。
1.3.は、タイトルが「僕」をどういう人間かを意味していることを考えての仮説だ。
②オートファジーの単独での意味
細胞の栄養源であるタンパク質が不足すると、自分の身体を食べてタンパク質を補うこと。
(Autoはギリシャ語で自分自身、phagyは食べることの意味)
コトバンクより
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B8%E3%83%BC-685600
簡単に言い換えれば、自分の身体を食べてしまうことがオートファジーだ。
③中国版の訳(BiliBili動画参照)
中国の大手動画サイト「BiliBili動画」では、
柊キライ自らが「自我吞噬」と翻訳している
参照URL;https://www.bilibili.com/video/av64439026/
「自我吞噬」
翻訳をすれば、そのまま「オートファジー」という言葉で出て来る言葉だ。
念の為に、白水社の中国語辞典や漢字辞典を確認してみた。
自我
1.音節動詞の前に用い,動作が自分から出てまた自分に帰る場合の)自己
(自分が自分に~する、という言葉の前に使われる表現)
2.自分の意味
吞噬
② のむこととかむこと。
② 他国を攻め滅ぼして、その領土を奪い取ること。吞食。
これで、意味を作り直すのならば、
1. 自分が自分のことを食べる。(オートファジーの意味と同じ)
2. 自分が自分で、自分の居場所を奪ってしまうこと
「自分が自分で、自分を呑み込んでしまう。」
これがオートファジーの動画を見ている際に、
腑に落ちる言葉であったために追求していこうと考えた。
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右が、左を呑み込んでしまうこと
オートファジーPVより https://www.youtube.com/watch?v=iBFa98VMh2A
オートファジーのPV画面だ。
特徴としては、左右が対象になっていることが言われる。
8つ発見した為に、1つずつあげていこう。
1.手袋…左は付けていない(白)、右は着けている(黒)
2.腕輪…左は付けていない、右は着けている
3.指先…左は伸びている、右は曲がっている
4.腕…左は筋肉が盛り上がっている、右は上腕二頭筋が薄め、太陽のタトゥー
5.眉毛…左の方が影が濃く、下がっている。右は軽く下げている
6.目元…左は泣いていて薄い眼、右は大きく開いている
7.瞳孔…左は白く赤い輪、右は黒く赤い輪が全体的に広がっている
8.口角…左は下がっている、右は薄っすらと上がっている。
このことから、「右」が「左」と共存しているように考えた。
「左」は酷く悲しんでいる。これが、「僕」の方だろう。
ならば、「右」の喜んでいるのは誰だろう。これは、「僕」が拒否している人物である。
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僕の拒否についての表記
明らかに「僕」は何かと話していて、拒否の言葉を何度も口にする。
その為、僕が誰かに止めて欲しいと言った言葉を列挙していこう。
1.「愚かしいとか 馬鹿らしい そんなことを僕の前で試行しないで」
2.「ただただ心を突き放し しっし」
3.「僕は待ってないのに踊られても困るし君 君」
4.「愚かしいとか 馬鹿らしい そんなことを僕の前で口にしないで」
5.「脳髄から締め出したくて」
6.「これから心が宿った頭蓋無理矢理隅まですすいで洗いたい バイバイしたい」
7.「僕はやってないのに騒がれても鬱陶しい しっし」
8.「過去の孤独の問いに身 脈打ち 苦しい 寄らないでよ」
簡単にまとめてしまえば、
僕の思いと、真逆な行動をしている「君」のせいで僕は困っていることが分かる。
もう少しだけ踏み込んでみよう。
2で「心を突き放し」と5「脳髄から締め出したくて」と表記されている。
身体を突き放し、ではないのは「身体がない概念を突き放している」としたらどうだろうか。概念を突き放しても、脳に住んでいる心の様な住人だ。
その二つを合わせた単語が、6.「心が宿った頭蓋」である。
この心が宿った頭蓋を「僕」は「無理矢理隅まですすいで洗いたい バイバイしたい」と言っている。全部「~たい」であり、希望。結局出来ていないことが分かる。
恐らく、この「君」とは自分と真逆な行動を起こしている「脳髄に巣食う心」と考えた。
「脳」という言葉に関連する登場人物が、この曲には存在する。
恐らく、彼はそれと脳を共有してしまっている状態なのかもしれない。
その「君」「心が宿った頭蓋」こそ、「脳内案内人」というものだ。
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ハロー、脳内案内人
「ハロー はははは ハロー ははははは」
オートファジーを語る上で欠かせないのが、この「ハロー」だ。
リズムや、言葉が独特で、耳や心に不気味に残る。気付けば、口ずさんでしまう。
森のトトロで言うトトロ、ポニョで言うポーニョポニョポニョの部分である。
ハロー はははは ハロー ははははは
この「ハロー」に続く歌詞が「脳内案内人 そう かわった人ね」である。
その為、この脳内案内人とハローについて考えていこう。
一応、Helloについての意味を確認しておこう。
Hello(英語)
おい! もし! よお! やあ! こんにちは! あら!
また、「HELLO」の音節は、「HEL LO」で区切られる為に、
「はははは」の部分は、「HEL HEL HEL HEL」ということになる。
その為に、HELを調べてみた。
HEL(英語)
ヘラ(死の女神、冥界の支配者)、黄泉の国、冥界
※ちなみに、HELLは言わずもがな地獄の意味である。
「こんにちは」という意味であるのだと思うが、
脳内案内人という存在が「僕」を何処へ誘おうとしているのかという表記が
この歌詞の中にはどこにもない。
その為に、
「ハロー はははは ハロー」は「HELLO HEL HEL HEL HEL HELLO」であり、
「こんにちは、地獄!地獄!地獄! やあやあ!」と言った様な
不気味な挨拶をしていた可能性も、否定はできない。
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反芻される羞恥
「反芻される羞恥の歌」
それが、この曲のテーマだ。
反芻
1 一度飲み下した食物を口の中に戻し、かみなおして再び飲み込むこと。
2 繰り返し考え、よく味わうこと。「先生の言葉を反芻する」
(Goo辞典様より)
羞恥
1.恥ずかしいと思うこと。恥じらい。
(Goo辞典様より)
この羞恥という言葉が、「愚かしい」「馬鹿らしい」という言葉に繋がるのだろうと思うのだが、「羞恥」という言葉が上手く落とし込めない。
決定的に何が、「愚かし」くて「馬鹿らしい」のかが表記されていない。
脳内案内人の行動として、唯一あるのは「ははははは ハロー」のみである。
「生きていく上で避けられず 割り切るしか」という言葉に関しても、「僕」から聞こえた脳内案内人の言葉である。
全部、脳内案内人がどういう心に宿った頭蓋なのかが「僕」目線でしか書かれていないのだ。
これは「僕」が「言葉にしては苛まれ囚われては被害者振ることも出来ないから」である。
脳内案内人が何をしたかが表記されていない為に、「羞恥」を深く掘り下げることは深追いであり、不可能に感じた。
そして、何をしたかが明言されていない場合、
1. 言葉にすると、大したことないことだった
2. 言葉にすると、あまりにも悲惨なことだった
このどちらか、もしくはどちらもである程度にとどめておこう。
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穿った余談
「ははははは ハロー」という台詞の後に「僕」は、その会話に「脳内案内人? そう、変わった人ね」と返している。
もしかしたら、「ハロー はははは ハロー」がちゃんとした言葉として「僕」だけが聞こえていると考えよう。
すると、僕も「ハロー語(仮)」で会話をしている、のかもしれない。
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蝕みの時(オートファジー)
蝕む、これは何かが自分を食べてしまうこと、それに近い行動のことである。
蝕む
①虫が食って物を損なう。
②(虫が食うように)悪弊や病気が少しずつ体や心をおかす。
(三省堂 大辞林より)
動画の2:43から、PVの少年は大きく変化する。
オートファジーPVより https://www.youtube.com/watch?v=iBFa98VMh2A
特徴的なのが、眼である。
明るさとコントラストを変更すると分かるのだが、右目は赤色が開いており、
右はうっすらと白い目が見える、もしくは目は閉じ切っている状態である。
左の眼に溜まっていた涙は、真黒な雫として流れ落ちてしまっている。
それに反して、口元は元からうっすらと笑っていた右の笑い方が完全に出てしまっている。
これは、「左」が「右」を蝕んでしまっている。
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過去の孤独の問い
オートファジーは、栄養がなくなった細胞が行うという。
「僕」がずっと抱えてきている「栄養がなくなったこと」と言えば、「過去の孤独」なのだろう。
この「過去の孤独」を補う為に、「生きていく為に避けられず、割り切るしか」ない存在として生まれたのが「脳内案内人」だろうか。
ただ、この「過去の孤独の問い」に対しても、「脳内案内人」に対しても、「僕」は「寄らないでよ」と逃げ続けている。
その為に、「僕」に残された選択は2つだったのかも知れない。
1.「過去の孤独の問いに、僕自身で答えをつける」
2.「この問いに流されたまま餓死状態になり、僕が脳内案内人に侵食される」
2つだった、というのは、
最期の歌詞に「今に弾ける悪の芽よ」と記載されているからだ。
ハロー。
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まとめ
作者の求めている「反芻する羞恥」というものが上手く掴み切れていないが、このオートファジーという世界観が「ファジー」…つまり、曖昧に作成されている意図も感じている。
決定的な言葉というのは、明言を避けているような造りだった。
その為、このオートファジーの独特なアッパーテンポのダウナー曲を聞いて、それぞれでこのオートファジーという曲の深い部分を探ってもらいつつ、柊キライさんの世界観に圧倒されて欲しい。
written by さざの、
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プロフィール
Author:もこ
ブログ名:世界は一日にして成らず
BPM(テンポ)まとめサイトです。
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管理者:もこ
作詞・作曲家、テンポ計測家・研究家、BPMチェッカー
相談、依頼等は→【komo11100305@gmail.com】
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